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Vol.015 「男の真価」 ~Accessible Japan~

2018年2月28日(水)

会場:八芳園 グレース

メインスピーカー:
原田 修吾 氏
観光庁参事官 外客受入担当
※水嶋 智 氏
観光庁次長は公務の都合により欠席、原田氏が代理出席
グリズデイル・バリージョシュア 氏
アクセシブル・ジャパン代表
長井 総和 氏
国土交通省 総合政策局 安全生活政策課長
花岡 伸和 氏
日本パラ陸上競技連盟副 理事長 ファシリテーター:
井上 義則 氏
(株)八芳園 取締役専務 総支配人

東京オリンピック・パラリンピックまで2年半を切り、各方面で2020年に向けた機運が高まる中、「障がいのある外国人旅行者の力になりたい」と製作された、海外の障がい者に向けた日本観光の英語情報サイトが注目を集めています。そのサイトの名は「Accessible Japan」。製作者は、カナダ出身の日本人、グリズデイル・バリージョシュアさん。観光立国を掲げる日本の訪日外国人旅行者数は増加の一途を辿り、昨年統計で2869万人を記録。2020年、パラリンピアンをはじめ多くの障がいのある外国人が来日されることは明白です。それに向けて、日本はどのように受入れや、人材の育成、情報発信の準備をしているのか。日本の真価が問われる2020年。今回のおとこ塾では、アクセシブルな社会について、2020年までに私たちが為すべきことは何かを考えました。


ー 原田 修吾 氏

  • 【バリアフリーツーリズム】
    特化することで、より多くの方が日本を訪れ消費を行う。ビジネスチャンスになるというところに着目してもらう努力、仕掛け、仕組みづくりを観光庁としても考えてみたい。
  • 【完璧を求めすぎない】
    バリアフリーにしても、完璧を求めすぎない。ツアーの製造にも限界がある。トータルとして楽しんでもらえること。ちょっと肩の力を抜いてお迎えすることもポイントではないか。
  • 【インバウンド】
    今も皆さん外国人が増えたなと感じていらっしゃると思いますが、訪日外国人観光客が2030年の目標の年間6000万人になると、風景が一変すると思うんです。日本人が中心として過ごしてきた社会のあり方が問われ、多様性に対応する国土をつくる必要があります。

ー グリズデイル・バリージョシュア 氏

  • 【障がい者の経済力】
    障がい者がいるグループの方が健常者のみのグループよりも人数が多く、滞在時間も長い上に消費額も多い。もしお店に入れなかったら、同行者も入れないので、他のバリアフリーのお店に行くことになる。ポジティブな面で、長期的にビジネスにも良いという理解を。
  • 【人それぞれ】
    障がい者の中でも皆それぞれ、出来ることできないこと、性格も違う。声をかけるのもに抵抗があるとは思いますが、聞いてくれた方が自分から頼みやすいので助かります。
  • 【コミュニケーション】
    人と人、日本と世界とのコミュニケーション。障がい者や高齢者の問題は日本だけの問題ではない。他の国に日本の知識、経験、制度が役に立つなら勧めることも出来る。

ー 長井 総和 氏

  • 【心のバリアフリー】
    バリアフリーとして機能する最後の部分は、人の心の部分です。教育すればすぐに変わるとうわけではないので、粘り強くやっていくしかない。障がいのある人、無い人の双方向のバリアフリーを推進し、最終的には「心のバリアフリー」という表現が出てこなくなると良い。
  • 【レガシー】
    バリアフリーといっても、困りごとは人によって様々、典型的なパターンがない。日々勉強しないといけないと感じています。とにかく気持ちをぶつけて、コミュニケーションをとってみる。ハード、ソフト両面でいろんなバリアがなくなって、東京五輪を機に、少しでも「レガシーだったよね」と3年後、10年後に言われる環境づくりを、役所の仕事として取り組んでいきたい。

ー 花岡 伸和 氏

  • 【ロンドンパラリンピックを真似するな】
    社会に与えた影響を考える必要がある。スポーツイベントとしては大成功。イギリスの障がい者にどのような影響を与えたかというと、アスリートを称えすぎため、スポーツをしてない障がい者が「頑張っていない人」という風に社会から見られるようになった。同じことが東京パラリンピックで起きないように、私も講演会などで取り組んでいきたい。
  • 【障がい者という視点】
    障がいのある人が目の前にいるから、何かしなきゃいけないという心を捨ててみること。障がい者は手伝われるべき存在というところから少し離れてみること。一人の人として接し、自然に挨拶をしてコミュニケーションをとってみたら良いのではないか。